この記事で言っていること
- ・愛知県の海苔生産状況を、入札に出荷される枚数を元にグラフ化
- ・枚数は前年比12%減で、凶作というほどではないが、減っている
- ・しかし海苔自体の出来は良い産地も多い
- ・入札価格が高騰して非常に厳しい
まいどっ!戸田理平商店の若旦那(見習い)です。
アクセス解析でも、海苔の生産に関するキーワード検索のアクセス数が増えてきたなと感じましたので、今回は生産ネタです。
いま、海苔業界は大変な危機に瀕しています。
一般消費者の皆様のお耳にはまだ届いてないかもしれませんが、有明海の海苔生産(養殖)が大凶作となってしまっているのです(瀬戸内海も不作のようです)。
良質な海苔の生産には低い海温が必要なのですが、今シーズンの暖冬の影響をもろに受けたと考えられます。
「全国の海苔産地と生産枚数を御存知ですか?」の記事の通り、九州(有明海メイン)で約55%、瀬戸内海で約30%のシェアがありますので、この2エリアの生産状況は日本の海苔市場に多大な影響を及ぼすわけです。
では全国的にも海苔は凶作なのか?
当店は愛知県の海苔入札に参加していますので、愛知県の海苔生産状況について、昨シーズンに比べてどうかを調べてみました。
まず、昨シーズン全9回の入札と今シーズン4回までの入札で出荷された海苔の枚数をプロットしてみました。
※参考資料:入札参加者に配布される出荷明細表
上図を見ると、1回汐と3回汐の落ち込みこそあれ2回汐は昨年以上で、直近の4回汐は昨年と同等の出荷枚数なのが分かります。
次回どれくらい伸びるかが非常に気になるところです。
次に、累計をグラフ(積み上げグラフ)にしてみます。
凶作というほどではないにしても、昨年よりは少ないなということが分かります。
数値にすると、約12%ほど少ない枚数です。
入札に参加して実際に見た海苔の品質について述べると、出来は良い方だと感じています。
例年だとあまりパッとせず低い値で入札される浜(産地)の海苔が、今年はしっかりした作りで色・ツヤも出ていたりしています。
ついでに愚痴を申しますと…
有明海(や瀬戸内海)が不作ですと、九州(や瀬戸内ブロック)からも買い付けをしている全国規模の海苔屋さんは海苔が思うように仕入れられません。
そうなると、愛知や三重、東北といった東日本ブロックの海苔をいつもより仕入れる必要が出てきます。
となると何が起こるかと言えば、入札価格の高騰です。
昨日の入札も高い相場でした。一昨日の三重の入札も非常に高かったようです。
きっと、ウチだけでなく全国の海苔屋さんが同じように苦しい状況だと思います。
そして海苔漁師さんも、非常に大変だと思います。
気候を願うとともに、漁師の方々によるこれからの巻き返しを応援させて頂きたいです!
ではでは、今後ともごひいきにっ!