この記事で言っていること
- ・日本の海苔産地(養殖)は東日本・瀬戸内・九州の3ブロック
- ・生産枚数は年間80億枚ほど
- ・生産枚数シェアは、九州:約55%、瀬戸内:約30%、東日本:約15%
- ・「○○産だから絶対美味しい」というものではないので、産地というブランドだけで海苔を判断しないよう御注意されたし
まいどっ!戸田理平商店の若旦那(見習い)です。
先日、「愛知県の海苔産地って、どこいら辺だん?」の記事で愛知県の海苔産地について地図で表現してみました。
今回は全国規模に拡大してお届けします。
上図のように、全国の海苔産地(養殖)は三つのブロックに分けられます。
東日本…広いですねぇ。地図は主な産地のみ載せましたが、北海道や静岡なども東日本ブロックに含まれます。
※但し、地図に載せた五つの産地で、日本の海苔生産量の殆どをカバーしています。つまり日本有数のブランドと言えます。
ここでお伝えしたいのは、
海苔の養殖が盛んな場所(浜)は限られている
ということです。
日本中で獲れるわけではないのです。
次に、生産量(や生産枚数)についてまとめてみます。
年 | 2013 | 2014 | ||
ブロック | 生産枚数 [100万枚] |
生産量[100t] | 生産枚数 [100万枚] |
生産量[100t] |
九州 | 4,571 | 1,661 | 3,715 | 1,351 |
瀬戸内 | 2,271 | 905 | 1,907 | 745 |
東日本 | 1,320 | 559 | 986 | 518 |
合計 | 8,162 | 3,125 | 6,608 | 2,614 |
【参考】
・農林水産省/海面漁業生産統計調査(海面養殖業の「のり類」収穫量データより)
http://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/kaimen_gyosei/index.html
近年の国産の海苔は年間で80億枚程度生産されています(ここ30年では100億枚突破する年もしばしばありました)。
2014年は不作でしたが、2015年は80億枚程度まで回復する見込みだと聞きました。
80億枚って、ピンと来ますか?
日本の人口を約1.2億人とすると、
年間で日本人一人当たり約67枚食べている計算です。
365日で割れば、5日に1枚のペースです。
こう計算すると大したことないように見えますが、皆さんはどう感じましたか?
因みに若旦那は毎日2枚くらい食べてます。
各ブロックに対する2013~2014年の生産枚数シェア(全体の何%か)については、上図の円グラフで記した通りですが、
ここ数年は
九州:約55%
瀬戸内:約30%
東日本:約15%
のようなシェアかなといったところです。
※重量換算の生産量や取引金額のシェアではありません
現在は圧倒的に九州が日本で一番の海苔産地となっています。
九州ブロックの海苔生産量のうち大部分が有明海産ですので、雑に言ってしまえば
日本の海苔の2枚に1枚は有明海産
かもしれません。
「有明海産」をブランドとして売り込んでいる商品が良くありますが、シェア50%以上もありますから、手に入れることもそれほど難しくないと考えられます。
海苔というものは同じ生産地・生産者でも1枚1枚品質が異なりますから、良いものもあまり良くないものも獲れたりします。
有明海産でも低品質のもの(等級が低いもの)は安く仕入れられます。他の産地でも高品質なものはなかなか仕入れられません。
何が言いたいかと言うと、
「○○産だから絶対美味しい/不味い」という世界ではない
ということです。
産地というブランドだけで海苔を判断されないよう御注意下さい。
特にスーパーやコンビニで大量に出回っているものは、当たり外れが激しい可能性もあります(当たりがない可能性も…)。
なるべく外れの海苔が当たらないためには、
信頼できる生産者・問屋(海苔屋)から海苔を直接購入する
ことをお勧めします。
当店では有明海産と愛知県産(三河湾・知多湾)の海苔を小売しておりますので、
お気軽に御用命下さいっ!
※残念ながら瀬戸内海と関東以北の海苔のお取扱い予定はありません…
今回はブロックという比較的大きなエリアでまとめてみました。
次回は都道府県別という観点でまとめてみたいと思います。
ではでは、今後ともごひいきにっ!
【参考情報】
・農林水産省/海面漁業生産統計調査(海面養殖業の「のり類」収穫量データより)
http://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/kaimen_gyosei/index.html