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2015-08-30

敬老の日 こぼれ話~由来や海外事例、そして老人の日・老人週間・シルバーウィークとの関係

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【はじめに】
この記事で言っていること

  • ・敬老の日は、1947年に兵庫県のある村で提唱された「としよりの日」が始まり
  • ・祝日法改正の時期に老人福祉法も改正され、
  •  9/15:老人の日、9/15~21:老人週間、9月第3月曜:敬老の日となった
  • ・9月の大型連休をシルバーウィークと呼ぶが、これはゴールデンウィークの次点という意味
  • ・海外では「祖父母の日」や「重陽(節)」、「国際高齢者デー」といった同様のものがある

まいどっ!戸田理平商店の若旦那(見習い)です。

前回の「敬老の日のプレゼント・ギフトに海産物である海苔が適している5つの理由!」に続きまして、
今回は「敬老の日 こぼれ話」をお届けします。

◆由来

戦後間もない1947年(昭和22年)、兵庫県は野間谷村(のまだにむら)の村長さんらが「老人を大切にし、年寄りの知恵を借りて村作りをしよう」と提唱した「としよりの日」が始まりのようです。
農閑期で気候も良い時期である9月15日を「としよりの日」と定め、敬老会のような集まりを開いていました。これが兵庫県中に広がり、更に全国にも広がっていった模様です。
その後、「年寄りという表現は良くない」という意見があったらしく、「老人の日」と改称され、更にこれが国民の祝日「敬老の日」と変遷していきました。

※因みに、野間谷村とは全く関係ありませんが、「野間」という地名は愛知にもあり海苔産地の一つです
愛知県の海苔産地って、どこいら辺だん?

◆老人の日・老人週間

老人の日は敬老の日となって歳月が経つのですが、2001年の祝日法改正(ハッピーマンデー制度導入)に伴い
敬老の日は9月の第3月曜日と定められました。
9月15日から変わることに対して提唱者や高齢者団体等の抗議があったこともあり、(どれだけ直接的要因かは不明ですが)
老人福祉法が改正され、9月15日を「老人の日」、その日から1週間を「老人週間」と定められました。

法令の中身(一部)を紹介します。

【国民の祝日に関する法律(祝日法)】

第1条
自由と平和を求めてやまない日本国民は、美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために、ここに国民こぞって祝い、感謝し、又は記念する日を定め、これを「国民の祝日」と名づける。

第2条
「国民の祝日」を次のように定める。

(中略)
山の日     8月11日     山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する。

敬老の日     9月の第3月曜日     多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う。
秋分の日     秋分日     祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ。
(中略)

第3条
「国民の祝日」は、休日とする。
2.「国民の祝日」が日曜日に当たるときは、その日後においてその日に最も近い「国民の祝日」でない日を休日とする。
3.その前日及び翌日が「国民の祝日」である日(「国民の祝日」でない日に限る。)は、休日とする。

附則
(省略)

国民の祝日について – 内閣府:
※8月11日の「山の日」が祝日となるのは来年(2016年)からです

「自由と平和を求めてやまない」という表現が好きです。

【老人福祉法】

第一章 総則

(目的)
第一条 この法律は、老人の福祉に関する原理を明らかにするとともに、老人に対し、その心身の健康の保持及び生活の安定のために必要な措置を講じ、もつて老人の福祉を図ることを目的とする。

(中略)

第五条 国民の間に広く老人の福祉についての関心と理解を深めるとともに、老人に対し自らの生活の向上に努める意欲を促すため、老人の日及び老人週間を設ける。
2 
老人の日は九月十五日とし、老人週間は同日から同月二十一日までとする。
3 国は、老人の日においてその趣旨にふさわしい事業を実施するよう努めるものとし、国及び地方公共団体は、老人週間において老人の団体その他の者によつてその趣旨にふさわしい行事が実施されるよう奨励しなければならない。

(後略)

国や地方公共団体は、老人福祉とその関連行事を奨励する義務があると法律で定められているんですね。

軽くまとめると、

老人の日:9月15日※老人福祉法より
老人週間:9月15~21日※老人福祉法より
敬老の日:9月の第3月曜日(なりうる日は9/15~21)※祝日法より

という感じです。
「老人の日と敬老の日は重複する可能性があり、敬老の日は必ず老人週間中にある」ということです。

【参考】
敬老の日の由来や意味は?何歳からなの?何をする?

◆シルバーウィーク

2015年は9月19日(土)~23日(水)が休日(5連休)となるカレンダーの方が多いと思います。
これは上記の祝日法第3条3節にて「国民の祝日に挟まれた日は休日とする」と定められているためです。
※2015年は敬老の日が9月21日(月)、秋分の日が9月23日(水)のため、挟まれた9月22日(火)が休日となる

また、この大型連休は俗にシルバーウィークと呼ばれます。
憲法記念日(5月3日)、みどりの日(5月4日)、こどもの日(5月5日)によって大型連休化しやすいゴールデンウィーク(金)の次点として、シルバーウィーク(銀)と呼ぶそうです。
自分はてっきり、敬老の日があるため高齢者を意味するシルバーとも掛けた命名で、「うまいこと言うなぁ」と思っていたのですが、どうやら関係ないようです…。

それに、老人福祉法で9月15~21日を老人週間と定めているので、シルバー=老人とするとシルバーウィークと老人週間が同じ意味となってしまい訳が分からなくなっちゃいますもんね。

因みに、2015年の次に5連休となるのは2026年で(法令等変わらなければ)、実に11年後です。
随分先になるので、今年のシルバーウィークは大切に過ごしたいですね。
※尚、4連休であれば2020年に訪れますが、それ以外は3連休です(2026年までのお話)。

◆海外

「老人の日」や「敬老の日」は日本発祥のため、海外に全く同じ記念日はないようです。
但し、似たようなものとしては以下が挙げられます。

・祖父母の日(Grandparents’ Day)

年齢ではなく孫を持つかという観点なので日本とは少し異なるかもしれませんが、趣旨は同様だと思います。
アメリカ(1978年~)、フランス(1987年~)、カナダ(1995年~)、イギリス(2005年~)、イタリア(2005年~)、オーストラリア(2010年~)、エストニア(2010年~)、台湾(2010年~)
のような国々(括弧内は始まった年)にあるようです。時期は9~10月の日曜日に制定されている所が多いようです。

・祖母の日、祖父の日

ポーランドでは祖母・祖父が分かれており、「祖母の日」は1月21日で、翌1月22日が「祖父の日」だそうです。
※休日にはならない模様
因みに5月には「母と父の日」があり、日程や表現にもレディファーストが徹底されているようです。

・重陽(節)

中国の重陽節(旧暦9月9日)では、古来より菊酒(菊花酒)を飲んで長寿祈願をしたり、登山や祖先供養を行ってきましたが、近年では「老人節」「敬老節」としてお年寄りを敬う行事も行われるようです。
陰陽では奇数を陽(偶数を陰)とし、9月9日は陽の最大数が重なるため重陽と呼ぶようです。元々は陽が強過ぎるため厄除けの意味合いが強かったようですが、いつしか民衆は吉日として祝うようになったようです。
※重陽は日本にも伝わり、「重陽の節句」や「菊の節句」として、菊の花を飾ったり菊酒(菊花酒)を飲んで邪気払い・長寿願いをする風習があります。

・国際高齢者デー(International Day of Older Persons)

高齢者問題について理解を深めるための啓発活動を行う目的で、1991年に国連(国際連合)が10月1日に定めました。

以上、日本における敬老の日・老人の日のお話と、世界的にも高齢者・祖父母を敬い・祝う習慣はあるというお話でした。

そして、敬老の日の贈り物や、シルバーウィークの行楽お弁当のお供には当店の海苔を是非どうぞ!

ではでは、今後ともごひいきにっ!


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