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2015-07-25

海苔養殖全国一位の県はどこでシェア何%?都道府県別海苔生産枚数比率をまとめてみた

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【はじめに】
この記事で言っていること

  • ・都道府県別の海苔生産枚数比率で地図を塗り分けると、有明海、瀬戸内海などの主要産地周辺に多いことが分かる
  • ・累積構成比も求めてパレート図・ABC分析を用いると、主要7県(ランクA&B)でシェア90%近くになることが分かる
  • ・約8%を誇る伊勢湾・三河湾(三重・愛知)は全国三番目の産地
  • ・産地による大まかな特徴を参考に、重視するポイント(味・香り等)に応じて産地を意識してみるのも趣き深い

うなぎ、食べましたか?
まいどっ!戸田理平商店の若旦那(見習い)です。
次の土用の丑の日は8/5(水)ですので食べ損ねた方はお見逃しなく。なんちゃってうなぎ(精進うなぎ等のうなぎもどき料理)への挑戦も是非どうぞ。
※なんちゃってうなぎの記事はこちら

さて、
前回は「全国の海苔産地と生産枚数を御存知ですか?」の記事で、全国の海苔産地についてブロックというエリアに分けて地図で表現しました。
今回は都道府県レベルまで掘り下げてお届けします。

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↑海苔の生産枚数比率による塗り分けマップ(2013~2014年)
【参考】
・農林水産省/海面漁業生産統計調査(海面養殖業の「のり類」収穫量データより)
http://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/kaimen_gyosei/index.html
※下記のレポートについても同様。
生産数が0ではないが、数値が公表されてない都道府県もあります(北海道など)。そのような都道府県は色分けできていません。
・使用ツール:地図製作「地図ぬりぬり」
http://edit.freemap.jp/

上図では、より赤く塗られた都道府県ほど海苔の生産枚数が多いことを示しています。九州と兵庫近辺の赤色が目立ちますね。
前回の3ブロック・主な産地を表した地図(下図)と見比べると、主な産地周辺の都道府県が塗られていることに気付かれると思います。

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おまけ】
漁業就業人口1人あたりの漁獲量で偏差値を求めて塗り分けしたこちらも興味深いです。
http://todo-ran.com/t/kiji/18765

ではもう少し細かく見ていきます。
海苔生産枚数の大きい順で都道府県を並び替え、構成比を積み上げたグラフ(パレート図)と表を以下に示します。

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ここではABC分析という手法を用いました。
※厳密に言えばABC分析ではないかもしれませんが、御容赦下さい

ABC分析についてもう少し詳しく知りたい方は↓
ABC分析とは?ExcelやQlikViewでの実現方法は?

構成比の大きい順に並び替え、都道府県をA・B・Cにランク分けしています。
今回は若旦那の独断と偏見で、
累積構成比が

0~70%(未満)をランクA
70~90%(未満)をランクB
90~100%をランクC

としました。
例えばランクAとBの7県(佐賀、福島、兵庫、熊本、香川、愛知、宮城)で、
全国の90%近くの海苔を生産しているという意味です。
47都道府県の内、7県というのは全体の15%弱です。
15%弱の地域で90%近くのシェアというのは、なかなかに生産数の地域差が大きいかもしれません。

各都道府県の構成比を元に塗り分けたのが最初の地図です。

愛知県と三重県に注目すると、愛知…約5%、三重…約3%となっているため、伊勢湾から三河湾にかけての産地で全国の約8%のシェアです。
これは有明海…約55%、瀬戸内海…約28%に次いで、全国で三番目の産地です。
※ちょっと大差が付いてますが…汗

生産が盛んな地域ほど、品質も高い傾向にあるだろうことはイメージし易いと思います。
※つまり地元の海苔品質アピールです

しかしながら、産地による特色というものも勿論存在します。

非常にざっくりとお伝えすると、こんな感じです。

有明海(佐賀、福岡、熊本):
生産量・品質(味や柔らかさ)どちらも全国トップレベル瀬戸内海(兵庫、香川、岡山、徳島、広島、愛媛、山口、大阪):
しっかりした海苔(硬めで破れにくい)が多いため、寿司やコンビニ(おにぎり)向けなどの業務用に良く使われる伊勢湾・三河湾(愛知、三重):
味の良い場所、色の良い場所、アオノリ産地と、場所によって特色が異なる

東京湾(千葉):
香りが良い(関東の根強い支持)

松島湾(宮城):
業務用が多くなった模様(地元の根強い支持)

漁業組合レベルでも違いがあったりするため上記が全てではありませんが、
ギフト用に適した傾向の産地や、業務用に適した産地といった特色があったりするわけです。
味を重視するのか、それとも香りか、色か、柔らかさか…
といったように、皆さんの重視するポイントに合わせて産地を意識してみるのも趣き深いと思います。
但し、前回お伝えした通り「○○産だから絶対に味が良い」と言い切れるわけではありませんので、プロがしっかりと目利きして仕入れられたものに対して、産地を意識してみることをお勧めします。

因みに当店の焼海苔は2015/7/24現在、
無印(350円):愛知(西三河)産
松印(400円):熊本(有明海)産
特選(450円):佐賀(有明海)産
極上(500円):福岡(有明海)産
というラインナップとなっております(産地を固定しているわけではありませんので、仕入れる度に産地は異なる可能性があります)。

実は当店が有明海の海苔を仕入れるようになったのは、ここ10年程度の話です。
それまでは愛知県の海苔一本でしたが、前社長(亡父)の時代に有明海の海苔も仕入れるようになりました。
お陰様で九州の海苔もお客様に大変好評です。

【ノリパラ速報】焼海苔ラインナップの特徴を★評価で表現してみました!」の記事も合わせて更新しましたので、
海苔を選ぶ際の参考にして頂ければ幸いです。

noripara_link
ではでは、今後ともごひいきにっ!

【参考情報】
・農林水産省/海面漁業生産統計調査(海面養殖業の「のり類」収穫量データより)
http://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/kaimen_gyosei/index.html
・海苔漁獲量 [ 2013年第一位 佐賀県 ]
http://todo-ran.com/t/kiji/18765


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